【どんなときもWiFiのいま】炎上の経緯と総務省の行政指導を振り返る

どんなときもWi-Fiは、2020年10月31日をもって無制限プランのサービスを終了しました。

どんなときもWi-Fiは、「まったくつながらない」「通信速度が遅い」「コールセンターの対応がひどい」といった口コミも多く、悪い意味で炎上したWiFiサービスでした。

どんな経緯で炎上したのか、いま現在はどういう状況なのか?

当時YouTubeでどんなときもWiFiの動画を投稿されていたふじもんさんに解説いただきます。

解説した専門家
ふじもん
YouTuber
大手通信企業へのインタビュー動画や、お得にWiFiが契約できるコラボ動画が話題。ネット回線に関するメディア出演や監修も多数。

>>>プロフィール

どんなときもWiFiは2019年3月に提供開始したサービスですが、2020年2月に大炎上して、2020年6月には総務省から行政指導されました。当時のどんなときもWiFiの炎上について詳しく解説します。

どんなときもWiFiとは

どんなときもWiFi
画像:どんなときもWiFi(現在は削除されているため見れません)

まず、どんなときもWiFiについて、あらためて確認しておきましょう。

どんなときもWi-Fiは、2019年3月に提供開始したポケットWiFiサービスでした。

データ無制限で使い放題だけでなく地下鉄でも使える

当時の主流は、WiMAXというポケットWiFiサービスで、3日間で10GBの利用制限がありました。

でも、新しく誕生したどんなときもWiFiは、データ容量が無制限で使い放題ということで、人気が殺到しました。

またWiMAXサービスの最低契約期間が、3年契約に対して、どんなときもWiFiは2年契約ができるということや、月額料金もWiMAXが月額4,380円に対して、どんなときもWiFiは3,480円という契約内容も、人気になった理由のひとつです。

サービスWiMAXどんなときもWiFi
データ容量無制限無制限
速度制限3日10GB以上で
速度制限
速度制限なし
回線WiMAX2+トリプルキャリア
月額料金4,380円3,480円
契約期間3年2年

さらに通信品質でも違いがありました。

WiMAXは、地下鉄や建物の奥に行くと繋がりにくいと言われていたのですが、どんなときもWiFiは、クラウドSIMという最新技術を使って、SoftBank、au、ドコモの携帯電話の通信回線を使い分けられました。

つまり、どんなときもWiFiは、WiMAXが繋がりにくい、地下鉄などでも問題なく使えるということも人気になった理由のひとつです。

  • データ容量だけでなく、月額料金、契約期間、通信品質など、WiMAXとくらべても、すべてどんなときもWiFiの方が魅力的でした。

人気女優の今田美桜を起用したテレビCMも放映して話題になる

どんなときもWiFiは、テレビCMも放映していました。

CMには、人気女優の今田美桜さんや、佐藤二郎さんを広告モデルとして起用していましたね。

当時、今田美桜さんの「通信容量足りんくなってしもうた。サトちゃんどうすると?」という博多弁が可愛すぎると話題になりました。

  • CMメロディーも、槇原敬之の『どんなときも。』が使われ、さらに話題になりました。

どんなときもWiFiが炎上してサービス終了した経緯

どんなときもWiFiが炎上し、サービスを終了した経緯について、時系列で解説します。

時系列状況
2020年
2月21日
どんなときもWiFiが繋がりにくい状況が発生しはじめる
2020年
2月24日
通信障害が発生していることを公表
2020年
2月25日
通信障害のお詫びを発表
2020年
2月28日
再度通信障害のお詫びを発表
2020年
2月29日
通信障害によって7,263ユーザーが解約申請
2020年
3月1日
どんなときもWiFiの通信障害が一時的に復旧する
2020年
3月2日
通信障害の補償内容を発表
2020年
3月17日
どんなときもWiFiが繋がりにくい状況が発生しはじめる
2020年
3月18日
通信障害が発生していることを公表
2020年
3月19日
大規模な通信障害が発生しほぼ全ユーザーが使えない

別の通信障害が発生していることを公表
(一部ユーザーのみ制限対象と発表)
サポートセンターの受付時間を延長を発表
(11時~18時を、7時~24時に変更)
2020年
3月21日
申請者のみ回線休止する案内を発表
2020年
3月23日
サポートセンターの受付時間を再度変更を発表
(7時~24時を、10時~19時に変更)
2020年
3月31日
3月21日発表の申請受付に対し69,538ユーザーが回線休止を申請
2020年
4月1日
どんなときもWiFiの通信障害が一時的に復旧する
2020年
4月3日
クラウドSIMの技術を提供するuClodlink社がプラットフォームや端末に問題は無いことを発表する

新規申込を完全に停止する
2020年
4月15日
一部ユーザーにのみ無償で25GBにする
(過去に月間200GB以上使ったユーザーのみ)
2020年
6月19日
総務省がどんなときもWiFiに対して行政指導を発表
2020年
7月17日
総務省に対して報告書を提出する
2020年
8月24日
契約者に対して2020年10月31日で従来の無制限プランを終了することを発表する
2020年
9月8日
通信障害についての検証報告について一般向けに情報を公開する
2020年
10月31日
どんなときもWiFiのサービス終了

それぞれ時系列で、詳しく説明します。

2020年2月|大規模な通信障害が発生する

これまでも小規模の通信障害はありましたが、大規模な通信障害が発生したのは、2020年2月21日です。

2021年2月21日ごろから、つながりにくいといった報告がTwitterに投稿されはじめました。

それから3日後の2021年2月24日に、運営のグッド・ラック社が、公表しました。

この時点では、端末を再起動すれば通常通り使えると発表しており、問題の大きさに気づいていないようでした。

さらに翌日の2月25日になっても通信障害は解決しない状況は続きます。

このタイミングでは、『26日未明には、全て解消予定です』とハッキリ報告しています。

ただ残念ながら、通信障害から復旧したのは、3月1日でした。

このタイミングで、『契約解除を希望するユーザーは違約金免除』という内容を発表しました。

  • 後の報告書で判明したのですが、このタイミングで7,263ユーザーが解約申請したそうです。

2020年3月|再度大規模な通信障害が発生する

どんなときもWiFiがまた使えなくなったとの報告が、Twitterで3月17日ごろから投稿されはじめ、運営のグッド・ラック社も3月18日に発表しました。

通信障害の原因がわからないという発表でした。

同じような報告が、翌日の3月19日にも発表し、緊急でサポートセンターの受付時間を通常の11時~18時を、7時~24時に変更することも発表しました。

2020年3月|回線休止のお願いをするも違約金なしで解約できず

そして大きく炎上するキッカケになったのが、3月21日の発表です。

通信障害の原因が、データ量不足ということを明らかにし、復旧見込みは4月上旬であると発表しました。

また希望する人には、回線休止申請すれば月額料金を免除することも発表したのですが、大炎上のキッカケになったのは、無償で解約できないことが判明したからです。

  • 2月の通信障害時には、解約違約金を免除して、無償で解約できた。
  • 3月の通信障害時の解約は、違約金は免除にならない。

えっ?

明らかにおかしいですよね?

これによって、Twitterは『どんなときもWiFi』に関するツイートが急激に増えました。

このように、『なぜ無償解約できないのか?』と戸惑うユーザーが増え、この怒りの矛先がふじもんのYouTubeに投げられました。

ふじもんは、どんなときもWiFiのユーザーのひとりでもあったわけですが、運営のグッド・ラック社に対して動画を通じて『無償解約できないのはおかしい!』『一日でも早くユーザーがネットを使える環境を整えられるようにサポートすべきだ!』と訴えました。

2020年4月|ポケットWiFi各社が緊急対応をする

3月の通信障害は、4月1日になって一時的に復旧しましたが、ユーザーだけでなく、関係各社が緊急対応に追われました。

まず、クラウドSIMの技術を提供するuCloudlink社は、プラットフォームや端末に問題が無いことを発表し、業界をザワつかせました。

また、ポケットWiFiサービス各社も対応に追われました。

どんなときもWiFiが新規申込を停止したのは当然ですが、同じようなサービスのよくばりWiFi、MugenWiFi、それがだいじWiFi、ZEUS WiFi、限界突破WiFi、クラウドWiFi、THE WiFi、めっちゃWiFi、BBN WiFi、ギガゴリWiFi、どこよりもWiFi、ハッピーWiFi、ChatWiFi、Nomad WiFi、STAR WiFi、ネクストモバイルといった、ほとんどのポケットWiFiサービスが、緊急で新規申込を停止しました。

2020年4月|一部ユーザーのみ無償25GB提供という謎の補償

そんな中、どんなときもWiFiは、一部のユーザーに対してのみ、謎の案内をしました。

一部のユーザーに対して案内された補償内容

2020年5月から次回更新月まで月額利用料金を無料にする

毎月のデータ通信量の上限を25GBとする

追加のインターネットサービスを利用した場合は上限1万円まで補償する

これは後でわかったことなんですが、過去に月200GB以上を使ったことがあるユーザーに対してのみに案内されたものでした。

どんなときもWiFiを月200GBも使ったことがなかったため、

ふじもんでさえ、何のことだかさっぱりわからず、

YouTubeのコメント欄や、TwitterのDMは毎日荒れていました。

運営のグッド・ラック社の対応は、毎日のようにコロコロ変わり、さらに一部のユーザーのみに、このような案内をしていることが発覚し、情報に詳しいはずの人でさえ、客観的に情報が確認できない状態になっていました。

2020年6月|総務省が運営会社に行政指導を発表する

総務省は2020年6月19日に、どんなときもWiFiに行政指導を発表しました。

詳しく確認したい人は、引用リンクをつけているので確認ください。

引用:総務省|報道資料|MVNOサービス「どんなときもWiFi」の利用者へのサービス提供に係る株式会社グッド・ラックに対する指導等

総務省の行政指導①|「無制限」と著しく乖離していた

まず1つ目は、「無制限」に対する指摘です。

グッド・ラックが行った通信制限の規模は、「無制限」との文言と著しく乖離しており、利用者の誘引に際して実際の品質より著しく高い品質をうたっていたものと認められます。
(中略)
このように、利用者を不当に誘引し、契約に至らしめたグッド・ラックの行為は、法第1条の「利用者利益の保護」の趣旨に反するものと考えられます。

グッド・ラックが行った通信制限の規模は、「無制限」との文言と著しく乖離しており、利用者の誘引に際して実際の品質より著しく高い品質をうたっていたものと認められます。
(中略)
このように、利用者を不当に誘引し、契約に至らしめたグッド・ラックの行為は、法第1条の「利用者利益の保護」の趣旨に反するものと考えられます。

データ容量が無制限で使い放題というのが、どんなときもWiFiの特徴でしたが、実際は違ったことに対しての指摘です。

実際は、無制限と呼べるものではなく、著しく実態と乖離していたのに、ユーザーを不当に契約させた『利用者利益の保護」の趣旨に反すること』に対して指摘し、指導しました。

総務省の行政指導②|月間25GB補償対応について「回答しなかった」

2つ目は、先ほど解説した謎の補償「25GB制限無償プラン」についてです。

通信容量の総量がひっ迫している状況の解消を目的に、グッド・ラックは一定の基準を超えたデータ利用実績のある利用者に対し、月間25GBを通信容量の上限とする通信制限を実施しましたが、この際、当該制限の対象となる者の具体的な基準を利用者に示さず、問合せがあっても一律に回答しないという対応をしていました。
(中略)
「利用者の判断に影響を及ぼすこととなる重要な事項」についての事実の不告知に該当し、法第27条の2第1号(事実不告知の禁止)の規定への違反が認められます。また、このような対応は、寄せられた苦情等について適切に対応しなかったものとして、法第27条(苦情等の処理義務)の規定への違反も認められます。

グッド・ラック社は、謎の25GB補償対応について、ユーザーから問い合わせがあっても、一切回答しないという姿勢でした。

このことで、ほとんどの人が混乱し、大炎上になったのは事実です。

当然のことですが、総務省は、 『事実不告知の禁止の規定への違反』と、『苦情等の処理義務の規定への違反』 に対して指摘し指導しました。

総務省の行政指導③|対応全般に問題があり「社会的に大きな影響を及ぼした」

3つ目は、必要な対応をしなかったことで、社会的に極めて大きな影響を及ぼしたことです。

上述のとおり、グッド・ラックが本件サービスについて必要な情報等を認識せず、また、必要な態勢の構築を行わずにサービス提供を行ったことなども含む本件事案に関する対応全般によって、非常に多くの利用者の利益が損なわれ、社会的にも極めて大きな影響を及ぼしました。
このことに鑑みると、当該事実に関しても、グッド・ラックの行為は、法第1条の「利用者利益の保護」の趣旨に反するものと考えられます。

グッド・ラック社の対応は、全般的に問題が多くありました。

2月、3月と大規模な通信障害が続いているにもかかわらず、新規申込を停止したのは4月3日という理解に苦しむ状況でした。

まさしく、ユーザーを不当に契約させた『利用者利益の保護』を全く無視していたと言わざるおえない状況でした。

2020年8月|どんなときもWiFiを10月31日で終了すると発表

グッドラック社は、2020年8月24日、どんなときもWiFiの無制限プランを、2021年10月31日に終了すると発表しました。

この発表についても、充分な説明がされたという印象は無く、ユーザーの混乱は続きました。

どんなときもWiFiの発表によれば、無制限でサービス提供を行うとTB(テラバイト)を超える利用者もいたとのことで、上位5%の利用者が総容量の20%だったという報告もありました。

  • 月間で1TB使うユーザーがいた
  • 上位5%のユーザーで全体の20%のデータを消費していた

以上が、どんなときもWiFiが炎上した理由とサービス終了までの経緯です。

当時、グッド・ラック社の対応は、本当に理解できませんでした。

どんなときもWiFiの大炎上に巻き込まれた当事者としては、忘れられないです。

どんなときもWiFiは 何がいけなかったのか
  • 無制限ではないのに、無制限と訴求していた。
  • 一部のユーザーだけ異なる対応をし、詳細を明らかにしなかった。
  • ユーザーの問い合わせに、対応しなかった。
  • 大規模な通信障害で、回線を休止しているにも関わらず、新規申込を止めなかった

現在は「どんなときもWiFi for レンタル」になっている

大炎上で、サービス終了になったどんなときもWiFiですが、2021年7月27日に「どんなときもWiFi for レンタル」として復活しました。

同じようなサービスは、WiFiレンタルどっとこむ等があります。

短期レンタルWiFiは、短期出張などでも活用されていますが、特に病院に入院する人が使うようなサービスです。

>> 短期利用におすすめのWiFiサービス

返却は、ポストに投函するだけなので、気軽にレンタルできます。

生まれ変わったどんなときもWiFiをおすすめするわけではありませんが、短期レンタルWiFiは需要はあるのでぜひ同じ過ちを繰り返さないでいただきたいですね。