「SIMフリーの意味は?」
「SIMフリースマホを利用する方法は?」
「SIMフリーのメリットやデメリットは?」
SIMフリーとはスマホやタブレット・モバイルルーターなどの通信機器において、特定の通信キャリアのSIMカードしか利用できない「SIMロック」がかかっていない端末のことです。
SIMロックがかかった端末を別の通信キャリアで利用したい場合、ユーザー自身でSIMロック解除の手続きを行うことでSIMフリーになり、自由にキャリアを選べるようになります。
この記事ではSIMフリーの意味や基礎知識を、初心者の人にもわかりやすく解説します。
記事を最後まで読めばSIMフリースマホやSIMロックの知識が深まり、スマホをより便利に使いこなしたり、通信費を節約したりすることができます。
SIMフリーとは
SIMフリーとは利用可能なキャリアを限定する、「SIMロック」がかかけられていない端末のことです。
SIMロックがかかった端末は、購入した通信キャリアのSIMカードしか認識することができません。そのため別のキャリアのSIMカードを使いたい場合は、SIMロックを解除してSIMフリーの状態にする必要があります。
またSIMフリーの端末には購入時からSIMロックがかかっていない端末と、購入後にSIMロックを解除した端末の2つがあります。
なお総務省が行った電気通信事業法の改正により、2021年10月以降に発売されたほぼ全てのスマホはSIMフリーの状態で販売されています。
SIMフリーが普及した背景
SIMフリーが普及した背景には、以下のようなことが挙げられます。
- 格安SIM(MVNO)の成長
- 大手キャリア以外でのスマホ販売の拡大
- 法令によるSIMロックの解除義務や原則禁止
2015年ごろにそれまで一部の人しか利用していなかった格安SIMの契約者数が、通信品質の向上や楽天モバイル参入などの要因によって増加します。
格安SIMの利用者が増えることで、主に海外メーカーが販売するSIMフリースマホの需要が高まりました。また同時に大手キャリアのSIMロックがかかったスマホに、不便を感じる人が多くなります。
さらに国内最大の販売数を誇るiPhoneについても、SIMロックがかけられた大手キャリア版ではなく、直営店のApple storeでSIMフリーモデルを購入するユーザーが増加します。
このような背景に加え、総務省がユーザーの利便性を高めるために電気通信事業法の改正を行ったことにより、SIMロックの解除義務や原則禁止が指示され、現在のSIMフリーの普及に繋がったと言われています。
SIMロックの解除とは?
ここからはSIMロックの解除について、わかりやすく解説します。
そもそもSIMロックとは
そもそもSIMロックとは、大手キャリアが販売したスマホやタブレットにおいて、自社の回線に対応したSIMカードしか認識しないようにする制限です。
例えばドコモで購入したスマホにSIMロックがかかっていると、ドコモもしくはドコモ通信を利用した格安SIMのカードしか認識できません。ドコモ以外のauやソフトバンクの場合も同様の制限がかけられています。
SIMロックは本来スマホの不正利用や転売防止のために設けられた制限と言われています。
しかし電気通信事業法の改正前では簡単に解除ができなかったり、解除に複雑な条件があったりした理由から、大手キャリアが他社への乗り換えを防ぐための囲い込みに利用されていると指摘されていました。
SIMロックの解除に関する動向
スマホにSIMロックがかかっている状態では、利用者が通信キャリアの乗り換えを行うことや、格安SIMへ移行することが難しくなります。
このためユーザーの利便性の改善やキャリアの乗り換え促進の理由から、総務省は2015年5月以降に発売される機種について、SIMロック解除を可能にすることを義務付けます。
さらにその後2021年10月以降に発売された端末ではSIMロックがかかった状態での販売が原則禁止となり、ほぼ全てのスマホがSIMフリーで販売されることになりました。
2015年4月30日以前 | 大手キャリアが販売するほとんどのスマホに SIMロックがかかっており、SIMロック解除は不可 |
2015年5月1日以降 | SIMロックの解除が義務化 条件を満たすことでSIMロック解除が可能 |
2021年10月1日以降 | SIMロックをかけた状態でのスマホ販売が原則禁止 |
2023年10月1日以降 | SIMロック解除にかかる費用が全て無料になる |
SIMカードとは?
SIMフリーやSIMロックを理解するためには、「SIMカード」についても知っておく必要があります。
SIMカードと通信キャリアの回線を識別するために必要な小さなカードで、サイズや通信タイプの違い、また挿し替え不要の内蔵タイプなどの仕組みによっていくつかの種類があります。
SIMカードの主な種類
サイズ
SIMカードのサイズには現在主流の「nanoSIM」や、少し大きめの「MicroSIM」、主に携帯電話に利用されていた「標準SIM」の3つがあります。
スマホやタブレットなど、端末によって利用できるSIMのサイズが異なるため、SIMフリーの端末を利用する際は必ずSIMカードのサイズを確認するようにしましょう。
通信タイプ
SIMカードの通信タイプには、以下の3つの種類があります。
- 音声SIM
- データ専用SIM
- データとSMS対応SIM
一般的なスマホでは、音声通話とデータ通信の両方に対応した「音声SIM」が使われます。
また通話をしないスマホやタブレット・モバイルルーターではデータ通信のみに対応した「データ専用SIM」が利用されており、データ専用SIMの中にはSMS(ショートメール)の機能がついているタイプもあります。
データ専用SIMやデータとSMSのみ対応のSIMは音声SIMよりも月額料金が安く、通信費を節約したい人に人気です。
デュアルSIMとは
デュアルSIMとは、1つの端末に2枚のSIMカードを挿して利用できる機能です。
デュアルSIMに対応した端末であれば、2つの通信会社を切り替えて利用することができます。そのため仕事とプライベートの回線を1つのスマホで使い分けたり、海外旅行で現地の回線と日本の回線を併用したりと便利な使い方が可能です。
また物理的なSIMカードだけでなく、「eSIM」と呼ばれる内蔵SIMカードと併用して2つの通信会社を利用できる端末もあります。
SIMフリーのスマホを利用するメリット・デメリット
ここからはSIMフリーのスマホを利用するメリットとデメリットを解説します。
メリット
通信会社の選択肢が多い
SIMフリースマホを利用するメリットには、通信会社の選択肢が多いことが挙げられます。
通信会社に縛られないSIMフリースマホなら大手キャリアはもちろん、月額料金が安い格安SIMやデータ専用プランも自由に選択することが可能です。
そのため通信費を抑えたい人やデータ通信をあまり使わない人は、SIMフリースマホを選ぶことで料金を安くでき、ご自身に合ったプランを探しやすくなります。
機種や台数の選択肢が広がる
SIMフリースマホは端末と回線を自由に組み合わせることが可能なため、機種や台数の選択肢が広がります。
例えばauユーザーがドコモの端末を利用したい場合、SIMロック解除が義務化される以前はドコモに乗り換えるか、諦めるしかありませんでした。
しかしSIMロック解除が義務化された今では、auユーザーであってもドコモの端末をSIMフリーにして簡単に利用することができます。
また複数のスマホやタブレットを使いたい場合も、SIMフリーであれば高額な大手キャリアのプランではなく、格安SIMを組み合わせて安く利用できます。
海外でも利用できる
SIMフリースマホは海外旅行や出張先でも、現地で購入したSIMカードを挿すだけでそのまま利用できます。
海外でもいつものスマホを利用できるため、空港でモバイルルーターを契約したり、現地でWi-Fiを使える場所を探す必要もありません。
また現地のSIMカードを利用することで日本の高額な海外向けプランを契約する必要もなくなるため、通信費を抑えることが可能です。
デメリット
通信会社によっては対応していない
SIMフリースマホのデメリットの1つに、通信会社によっては対応していない電波があることが挙げられます。
SIMフリースマホには通信会社の縛りがないため、サイズや種類が合えばどのSIMカードでも利用が可能です。ただし端末と通信会社の組み合わせによっては、利用できない電波の周波数帯があります。
SIMフリースマホを利用する際は使いたいキャリアの周波数帯、特にプラチナバンドなどの主要バンドに対応しているか確認して利用しましょう。
日本独自の機能に対応していないものがある
SIMフリースマホは国内メーカーだけでなく、多くの海外メーカーからも販売されています。
海外メーカーの古いスマホの中には、ワンセグやおサイフケータイなどの日本独自の機能に対応していない端末も多いです。
また中には防水防塵に対応していないものもあるため、SIMフリースマホを購入する際にはご自身の利用シーンに合わせて、必要な機能が搭載されているか必ず確認しましょう。
実店舗でのサポートが受けられない
SIMフリースマホには、実店舗でのサポートが受けられないといったデメリットもあります。
例えばSIMフリースマホを大手キャリアのSIMカードで利用する場合、スマホの本体にトラブルが起きたとしても、キャリア側ではサポートをしてくれません。
また大手キャリアのSIMロックを解除したスマホに他社のカードを挿して利用している場合も、本体や回線のトラブルに対応してくれないことがあります。
SIMフリースマホを利用して起こったトラブルは、基本的にご自身で解決する必要があります。
どうしてもご自身で解決できない場合は、製造メーカーや販売元に問い合わせをしてみましょう。
SIMフリーのスマホを利用する方法
SIMフリースマホを利用する方法は以下の2つです。
- 使用しているスマホのSIMロックを解除する
- SIMフリーのスマホを新規購入する
どちらの方法でも簡単にSIMフリースマホの利用ができます。利用したい端末や回線に合わせて、ご自身に合った方法を行いましょう。
使用しているスマホのSIMロックを解除する
1つ目のSIMフリースマホを利用する方法は、使用しているスマホのSIMロックを解除する方法です。
2015年5月以降に発売された端末であれば、SIMロック解除の手続きを行うことでSIMフリーのスマホとして利用することができます。
SIMロック解除の手続きは購入したキャリアの店舗やマイページから行うことができます。
ただし条件によってはSIMロック解除ができない場合もあるため、キャリアのサポートページで利用する端末のSIMロック解除が可能かどうか確認しましょう。
なお2021年10月1日以降に発売されたスマホはすべてSIMフリーなので、SIMロック解除の必要はありません。
新規購入する
2つ目の方法はSIMフリースマホを新規購入する方法です。
SIMフリーのスマホは家電量販店などの店舗はもちろん、インターネット通販や格安SIMの公式サイトでも販売しています。また大手キャリアのSIMフリースマホが欲しい場合には、店舗やオンラインショップで購入することも可能です。
SIMフリースマホにはたくさんの種類があります。ご自身に必要な機能を搭載した、使い勝手の良い端末を探しましょう。
SIMフリーに関するよくある質問
ここからはSIMフリースマホやSIMロックに関するよくある質問にお答えします。
SIMフリースマホは全てのキャリアの回線を利用できる?
SIMフリースマホは国内全ての通信キャリアの回線を利用可能です。
ただし通信キャリアや端末によっては、一部の周波数帯が利用できない場合があるため注意してください。
SIMロックを解除すると今のプランは解約になる?
大手キャリアでSIMロック解除の手続きをしても、契約中のプランはそのまま継続されます。
SIMロック解除を行う前と変わらずにスマホやプランを利用できるため、安心して手続きを行ないましょう。
SIMロックを解除できない理由は?
SIMロックを解除できない理由には、以下のようなことが考えられます。
- 2015年4月30日以前に発売された機種
- 本体代金の未払いなどで条件を満たしていない
- すでにSIMロックが解除されている
どうやってもSIMロックの解除ができない場合には、スマホの販売元の通信キャリアに問い合わせてみましょう。
自分のスマホがSIMフリーなのか確認する方法は?
自分のスマホがSIMフリーなのか確認する最も簡単な方法は、別の通信キャリアのSIMカードを挿入することです。
別の通信キャリアのSIMカードでモバイルデータ通信が利用できれば、SIMフリーの状態で間違いありません。スマホのWi-Fiを切って、インターネットに接続できるか確認してみましょう。
またiPhoneなど一部の機種では設定アプリの「端末情報」から、ご自身の端末がSIMフリーかどうか確認することも可能です。
Wi-Fiを選ぶなら「それがだいじWi-Fi」
SIMフリースマホはWi-Fiとのセット割が適用されないものが多いため、Wi-Fi選びにお困りの方も多いのではないでしょうか。
SIMフリースマホと組み合わせるWi-Fiをお探しなら、契約期間の縛りがない「それがだいじWi-Fi」がおすすめです。
まとめ
SIMフリーのスマホについておさらいします。
- SIMフリーとはSIMのかかっていない端末のこと
- SIMロックは特定の通信キャリアのSIMカードしか利用できない制限
- SIMフリーには最初からロックのかかっていない端末と購入後にロックを解除した端末がある
SIMフリースマホには特定のキャリアに縛られることなく、自由に通信会社やプランを選べるメリットがあります。
一方で端末と回線の組み合わせによっては一部の電波を受信できないことや、サポートが薄くトラブルをご自身で解決する必要があるなどのデメリットもあります。
SIMフリーの特徴やSIMロック解除について理解して、スマホやタブレットをより便利に使いましょう。
またSIMフリースマホと組み合わせるWi-Fiをお探しの人には、契約期間の縛りがない「それがだいじWi-Fi」がおすすめです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。